薬剤のプロフェッショナル【薬剤師】
薬剤師について
薬剤師といえば病院や薬局で薬を調剤しているイメージがありますが、薬剤師の役割は幅広く、薬剤師法1条では「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」と定められており、医薬品に関する知識や調剤技能を持って、患者さんの治療や人々の健康を維持するための薬剤を取り扱う薬の専門職です。
薬剤師の数は年々増加しており、2019年に実施された「薬剤師国家試験」では、合格者数が1万人をこえました。
薬剤師の仕事内容
薬剤師は医師の処方箋にもとづいた調剤を行ったり、服薬指導をしたり、医薬品の管理・販売を行いますが、仕事内容は勤務先によって異なります。
調剤薬局では、医師の処方箋にもとづいて薬を調剤する調剤業務、薬の服用方法と注意点などの説明をする服薬指導、医療用医薬品の管理、一般用医薬品の販売・管理業務などを行います。薬の副作用を防ぐため、患者さんのアレルギーや薬歴管理、処方箋について医師に問い合わせる疑義照会も仕事です。
病院では、患者さんへの調剤業務、服薬指導、医療用医薬品の管理、注射調剤業務、医薬品の情報提供など行っています。また、要介護度が高く、通院が難しい患者さんに対して訪問・指導をする在宅医療の提供を行うこともあります。
近年の高齢化に伴い、患者さんが住み慣れた自宅で療養できるように在宅医療を厚生労働省が推進しています。訪問看護に薬剤師が同行し薬剤管理指導を行うなど、病院や薬局以外で薬剤師が活躍するケースが増加しています。
医師の処方箋がなくても購入できる一般用医薬品の管理、販売とお客さんの相談対応を行っているのがドラッグストアです。勤務先によっては接客やレジ打ちなどの店舗業務も行います。
製薬企業では、病院や薬局を訪問して新薬の売り込みや医療用医薬品の情報提供をするMR(医薬情報担当者)、新薬の効き目や安全性の確認などを行う臨床開発部門の仕事があります。
学校薬剤師、保健所薬剤師、自衛隊薬務官、麻薬取締官などの職種は、行政機関において、薬事法、食品衛生法、感染症法などにもとづいて、医薬品・麻薬・薬物などの行政指導を行っています。
薬剤師のやりがいについて
薬剤師が医師の処方にもとづいて「調剤」を行うにあたって、医師が処方した薬が適切かどうかを判断し確認する重要な役割があります。処方のミスによって引き起こされる重大な問題から患者さんを守るための大切な業務です。薬の種類も日々増えていくため、常に勉強が必要です。そのため、スキルアップを実感しやすく、やりがいを感じることができるでしょう。
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