人間の尊厳を守る福祉業界で働くということ
誰もが就けるけど、誰もが勤まるわけではない
高齢化社会に伴い、福祉従事者は人手不足となり、数多くの求人が掲げられています。福祉従事者の仕事はよほどの問題が見受けられなければ誰でも就くことができます。しかし、すぐ退職したり、連絡もなく仕事に来なくなったりすることも多く、誰もが勤まる仕事ではないのです。福祉従事者として働くためにはしっかりと介護について学ぶことから始め、福祉従事者の立場や心得を理解していなければ長続きしないのです。
福祉業界で働く心得
介護業務には3大介助の食事介助、入浴の介助、排せつの介助の他にも、レクリエーションや機能訓練など、福祉従事者が行う業務は多くあります。これらは介護をするにあたって大切な業務ですが、福祉従事者の仕事としては当たり前のことでもあります。介護を行うための知識と技術は大事です。しかし、福祉従事者に最も必要とされるのは「人の尊厳を守る」ことです。介護を必要としている人の介助を行う際に、相手の気持ちに寄り添い、気持ちを理解しながら、相手の尊厳を侵すことがないよう考えて行動をすることが必要です。決まり事だからと介護を必要としている人の声に耳を傾けないことや、無理にオムツの交換をするなど、人の尊厳を侵すようなことはあってはなりません。
尊厳を守るということは、相手への言葉使いもしっかりとする必要があります。利用者は福祉従事者の友人ではありませんので、暴言を吐くようなことはもちろんですが、「タメ口」を使うことはあってはなりません。利用者はお客様であり、高齢者に至っては目上の方にあたりますので、失礼にならないように正しい言葉使いをしましょう。
認知症の方の介護をする際に、バカにした態度や言葉をかけることは絶対にしてはいけません。認知症は病気であり、病気のせいでわからなくなっている人に対して、「どうせわからないから」と相手の言動や行動に対して厳しい態度をとって叱責しながら接する福祉従事者は、介護の仕事に向いていません。
福祉業界で働くには、相手を思いやり、尊厳を守るという気持ちが最も大切です。いくら資格があっても、思いやりを持たず、相手の尊厳を守ることができない人には福祉従事者として勤まらないでしょう。これらのことを理解し、尊厳を尊重して行動できる人は福祉従事者としてやっていけるでしょう。
- 以下に、福祉の現場で働く人が心得ておくべきポイントがまとめられている埼玉県社会福祉協議会のインタビューを紹介します。
- 【福祉のプロとして働くために】
- カテゴリー: 福祉業界で働く人たち